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【注意】実はあなたも申告が必要!?知らないと無申告になってしまう贈与に関する重要ポイント5選

 
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秋山 清成
国税局・税務署で40年以上相続業務に従事して来た国税OB税理士です。元国税の経験を活かし、相続・贈与で悩む方々に少しでも有益なコンテンツを届けれられるよう、日々記事や動画を投稿中です。(Youtube登録者数:11万人)

いきなりですが、クイズです。

皆さんは次の5つの問題に全て答えることが出来るでしょうか。

 

 

 

 

 

さて、皆さんはこれらの問題に、全て完璧に回答することは出来たでしょうか。

一つでも怪しい部分があったという方は、将来贈与税の無申告により、税務署からペナルティを受ける可能性あります。

 

ですので今回の記事では、皆さんに正しい贈与の知識を身に付けて頂くためにも、贈与に関するこれら5つの重要ポイントについて、先程の問題に対する回答も踏まえつつ、解説を行っていきます。

①暦年贈与で110万円を超える贈与を受けた人は申告が必要

②相続時精算課税制度を選択する人は申告が必要

③贈与税の特例を使った場合にも翌年の申告が必要

④家族間での生活費の援助・親からの介護費用の預り金も贈与税の対象?

⑤贈与に関して視聴者の方からよく聞かれる質問

今回の記事を最後まで見て頂くことで、

● 皆さんの家庭内で行われたお金のやり取りには、果たして贈与税が掛かるのか、

● その上で贈与税の申告期限(贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日)までに申告と納税をしなければいけないのか

これらを、バッチリと判断することが出来ますので、是非最後までご覧頂ければと思います。

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

 

①暦年贈与で110万円を超える贈与を受けた人は申告が必要

まず初めに、【暦年贈与で110万円を超える贈与を受けた人は申告が必要】というテーマについて見て行きます。

 

ⅰ制度の概要

この『暦年贈与』というのは、

● 1月1日~12月31日までの1年間(暦年)に受けた贈与のうち、

● その贈与額が『間110万円の基礎控除額』以下までなら贈与税は掛からず

●  逆に『間110万円の基礎控除額』を超えた部分に対して課税が行われる、

という制度です。

 

 

ⅱ制度を利用できる人

この暦年贈与を利用出来る人の条件はかなり広くなっており、基本的には『律行為が出来る人』なら誰でも利用が可能です。

 

逆に、知症患者や心神喪失の方といった『法律行為が出来ない人』に関しては、暦年贈与を『実行する』ことも、『受ける』ことも出来ません。

 

ちなみに成年(18歳未満)の方も、保護者の許可が無いと契約や売買といった『法律行為自体』は出来ませんが、年贈与を『受ける』ことは出来ますのでご安心下さい。

 

 

ⅲ非課税限度額の取り扱い

さてその上で、暦年贈与における年間110万円の非課税限度額の取り扱いについても詳しく見て行きましょう。

 

と言いますのも、冒頭でもお話した通り、生前贈与には『年贈与』や『続時精算課税制度』の他にも複数の特例制度がありますが、

制度によっては、

『贈与を受ける側』に対して限度額が設けられているものと、

『贈与を行う側』に対して限度額が設けられているものとがあり、

この点を混同されておられる方も多いのです。

 

 

ですが安心して下さい。

覚え方自体はシンプルです。

『相続時精算課税制度』を利用する場合のみが、『贈与を行う側』に対して限度額が設けられており、

● れ以外の贈与については、『贈与を受ける側』に対して限度額が設けられている

と覚えて頂ければ結構です。

 

これだけでは、少し分かりづらいですから、冒頭①の問題を見ながら解説を行っていきます。

 

さて、冒頭では混乱された方も、今ならこの問題についても難なく回答出来るはずです。

 

先程もお話した通り、

『相続時精算課税制度』を利用する場合のみが、贈与を行う側に対して限度額が設けられており、

● れ以外の贈与については、贈与を受ける側に対して限度額が設けられています。

 

つまり今回の暦年贈与については、『贈与を受けた長男』目線で考えますので、

● 父親からも年間110万円の贈与を受け、

● 母親からも年間100万円の贈与を受けた長男は、

● 年贈与の非課税限度額である110万円を超えて贈与を受けていることになるのです。

 

結果的に長男は、限度額110万円を超えた、100万円に対する贈与税10万円について、

● 与を受けた翌年の2月1日~3月15日までの間に、

● 長男の住所を管轄する税務署に対して申告と納税を行う必要がある、

という訳です。

 

今回の例題のように、暦年贈与で110万円を超える贈与を受けた場合の『贈与税の申告書作成方法』と『提出方法』については、こちらの記事で詳しく解説を行っていますので、気になるという方は是非ご覧になって頂ければと思います。

 

ⅳ2024年1月1日以降の取り扱い

ちなみにこの暦年贈与については、

与者が亡くなる3年以内に行った贈与は、贈与者の財産に足し戻して相続税の計算をします』(相続開始前3年以内の贈与加算)

という取り扱いがあるのですが、2024年1月1日以降、贈与加算の期間が、段階的に『7年以内の贈与加算』にまで延長されることになりました。

 

この点については、こちらの2本の記事において詳しく解説を行っておりますので、気になるという方は以下のリンクからご覧になってみて下さい。

 

では次に、『相続時精算課税制度』を選択する場合の取り扱いについて見て行きましょう。

 

②相続時精算課税制度を選択する人は申告が必要

ⅰ制度の概要

まず相続時精算課税制度というのは、

● 度を利用する年の1月1日時点において、

● 60歳以上となる祖父母や父母から、

● 18歳以上となる子や孫に対して、前贈与が行われた場合、

● 与者1人につき最大2,500万円まで、受取った金額が非課税となる制度です。

(※2,500万円を超えた後の贈与に対しては、一律20%の贈与税が課税)

 

一見太っ腹に見えるこの制度ですが、

● 相続時精算課税制度を使って贈与を行ったとしても、

● 去の贈与分というのは相続が発生した際に全て相続財産に足し戻されることになりますので、

「現状においては全く節税効果が無い」という点には注意が必要です。

 

ⅱ非課税限度額の取り扱い

その上で、相続時精算課税制度の2,500万円の非課税限度額というのは、

『贈与を受ける側』に対して限度額が設けられているのか、

『贈与を行う側』に対して限度額が設けられているのか、さてどちらだったかを覚えていますでしょうか。

 

 

そうです。

『相続時精算課税制度』を利用する場合のみが、『贈与を行う側』に対して限度額が設けられていましたよね。

 

この前提のもと、冒頭の問題②について見てみましょう。

 

さてどうでしょうか。

この問題の答えについて、皆さんならもうお分かりですね。

 

相続時精算課税制度を利用する場合は、『贈与を行う側』に対して限度額が設けられておりますので、

 

● 子供達は親からも、相続時精算課税制度によって2,500万円までの贈与を非課税で受けることが可能ですし、

● 同時に母親からも、相続時精算課税制度によって2,500万円までの贈与を非課税で受けることが可能

という訳です。

 

ⅲ非課税限度額内の贈与でも申告が必要

しかし、ここで1点注意すべきポイントとして、

 

相続時精算課税制度というのは、たとえ贈与をされた金額が非課税限度額以内であったとしても、

● 贈与を受けた長男と長女は、贈与を受けた年の2月1日~3月15日までの間に、

● 自身の住所を管轄する税務署に対して、

与税の申告書』と『続時精算課税制度選択届出書(初回のみ)』、

そして贈与を受けた人が贈与者の子や孫であることを証明するための『戸籍謄本 or 抄本(初回のみ)』、これらを税務署に提出する必要があります。

 

更に、現行(2023年現在)の相続時精算課税制度の面倒なポイントとして、

一度制度の利用を選択すると、その後は課税限度額以内においてどんなに少額な贈与を受けたとしても、与を受けた人は、翌年以降に贈与税の申告が必要となるのです。

(※相続時精算課税制度選択届出書の提出は初年度のみ)

 

しかしこの面倒な取り扱いが、2024年1月1日以降に変わることになります。

 

ⅳ2024年1月1日以降の取り扱い

2024年1月1日以降は、相続時精算課税制度の利用を選択した上で贈与を行った場合、

● 間110万円までの贈与部分に関しては、相続財産に足し戻す必要が無くなり、

● 更に間110万円以内なら申告も不要にするという、素晴らしい改正が行われることになりました。

 

この改正により、今後は将来の相続税対策を考えている多くの方が、この『相続時精算課税制度』の利用を検討されることになるでしょう。

詳しい内容が気になると言う方は、先程同様、こちらの2本の記事で詳しく解説を行っておりますので、是非ご覧になってみて下さい。

 

③贈与税の特例を使った場合にも翌年の申告が必要

では次は、『贈与税の特例を使った場合にも翌年の申告が必要』というお話をして行きます。

 

贈与税の特例には、

宅を取得するための資金なら、最大で1,000万円までの贈与が非課税となる『住宅取得等資金の贈与』や、

育費に充てるための資金なら、最大で1,500万円までの贈与が非課税となる『教育資金の一括贈与』、

婚、子育て費用に充てるための資金なら、最大で1,000万円までの贈与が非課税となる『結婚・子育て資金の一括贈与』や、

姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用の自宅やその購入費用を贈与する場合、最大で2,000万円までが非課税となる『贈与税の配偶者控除』、さらに、

障碍を持つ子供への贈与であれば、最大で6,000万円までの贈与が非課税となる『 特定障害者に対する贈与税の非課税』、といった複数のものが存在します。

 

これらの特例は、

● 有効に使うことで高額な財産を無税で贈与することが出来ますし、

● 基本的に『相続開始前3年(7年)以内の贈与加算』の影響も受けない

といった特徴があります。(※②は条件付きで影響を受ける、③は影響を受ける)

 

ですが、これらの特例を利用する場合に一定の割合において問題になるのが、年の贈与税の申告漏れです。

 

先程の5つの特例制度の中で、③⑤の特例に関しては、

● 贈与者と信託銀行等の間で資金管理契約を締結し、

● そのお金を託銀行が贈与を受ける人に対して支払うという形が取られており、

● 務署への贈与税の申告や手続きに関しては、信託銀行が代わりに行ってくれます。

 

 

ですが①『住宅取得等資金の贈与』や、『贈与税の配偶者控除』に関しては、

● たとえ与を行った金額が制度の限度額以内であっても、

● ず贈与を受けた翌年に、贈与を受けた方の住所を管轄する税務署に対して、『贈与税の申告書』と『各種必要書類』を提出する必要があるのです。

 

 

ですので冒頭の、

という問題の解は〇ですので、

去年『住宅取得等資金の贈与』や『贈与税の配偶者控除』を利用した方は、年2月1日~3月15日までの期間中に必ず、贈与税の申告を行って下さい。

 

また、今年『住宅取得等資金の贈与』や『贈与税の配偶者控除』を利用する予定があるという方も、来年の2月1日~3月15日までの期間中に必ず、贈与税の申告を行う必要があるという部分は忘れないようにして下さい。

 

ちなみに、今回紹介した贈与税の特例の中でも特に使い勝手が良く、多くの方に利用されている『住宅取得等資金の贈与』については、こちらの記事で、特例を利用するために必要な〝8つの条件〟についても詳しく解説を行っておりますので、是非ご覧になってみて下さい。

 

④家族間での生活費の援助・親からの介護費用の預り金も贈与税の対象?

では次は、『家族間での生活費の援助や親からの介護費用の預り金も贈与税の対象となるのか』という部分について解説をして行きます。

 

まずは冒頭の問題をもう一度見てみましょう。

 

 

さてこの問題の正解は・・・です。

族間での生活費の援助』や、『親から介護費用の為に預かったお金(預り金)』についての質問は、お客さんや視聴者の方達から本当に良く受ける質問なのですが、

皆さん安心して下さい。

 

● 『生活費の援助』

● 『親から介護費用の為に預かったお金(預り金)』

● 供や孫に対する必要な都度の教育費の援助』

これらに関しては、則的に贈与税が課税されることはありません。

 

と言いますのも、『相続税法第21条の3 第1項第2号』では、

● 養義務者相互間において生活費又は、教育指導に当てるために贈与により取得した財産のうち、

● 通常必要と認められるものについては、務署は贈与税を課税しません!と、このように決められているからなのです。(※通常必要な範囲は家庭毎に変わって来ます)

 

ⅰ扶養義務者の定義

ちなみにこの『扶養義務者』というのは、

贈与を受ける側から見た、

偶者】【親】父母】【兄弟姉妹】、

父叔母(※)】【姪(※)】が該当します。

(※家庭裁判所の審判を受けて、扶養義務者となった3親等内の親族、又は、同居している三親等内の親族)

 

つまり、これらの『扶養義務者相互間』における生活費や教育費の贈与に関しては、

「必要な都度の贈与であれば、年間110万円を超える援助にも原則、贈与税は課税されない」

ということですね。

 

ⅱ親の介護費用を通帳で預かった場合

また、母親の介護をしている長男が、

● 体が不自由でお金の入出金が出来ない母親から、

● 護費用の為に纏まったお金が入金されている親名義の通帳を預かった場合

れは必要な都度の贈与とは言えませんよね。

 

母親名義の500万円というお金が、一度に長男に渡っている訳ですから、

「『続税法第21条の3 第1項第2号』にある必要な都度の贈与には該当せず、

 110万円を超える390万円の部分に対して贈与税が課税されるんじゃ?」

と、不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

ですが、これも安心して下さい。

この母親名義の500万円の通帳は、あくまでも

● 長男が母親から『かっている』ものですので、

● 500万円の贈与を受けた訳ではないのです。

そのため、長男は与税の申告も納税も必要ないという訳ですね。

 

ですが、母親から預かった500万円のお金を、親の為に300万円使い、母親が亡くなった場合、

● った200万円については母親の相続財産となりますので、

● チンと相続税の計算に含めて頂ければと思います。

 

ⅲ親の介護費用を介護者の口座で預かった場合

また、母親から500万円の通帳を預かるのではなく、

● 母親の預金500万円を全額長男の口座に移した上で、

● 長男がそのお金を親の介護費用に充てる場合の税関係は、どうなるでしょうか・・・?

 

これに関しても安心して下さい。

 

「身体が不自由な母親の為に長男の口座で預かっているお金」という部分を、

● 税務署に対してキチンと証明出来るのであれば、

● 長男に対して贈与税が課税されることはありません。

 

ですので、母親の預金を長男の口座で預かる際は、

● 男が普段使っていない口座を使う

● 親の介護費を支払うための専用口座を新しく作る

このどちらかの方法でお金を預かって下さい。

 

長男が普段公共料金の支払いなどに使っている口座に500万円の預り金を入れてしまうと、

親のための支払いか、長男のための支払いかが判別出来なくなりますからね。

 

あとは、母親のために使った費用については、

● その都度収書などもシッカリと貰い、保管をして頂ければ、

● 税務署においても、対家族においても証明が出来ますので、

この点も覚えておいて下さい。

 

また、先程と同じように、このお金はあくまでも

● 長男が母親から『預かっている』ものですので、

● 親の相続が発生した場合には、りの金額は母親の相続財産として計上することも忘れないようにして下さいね。 

 

では最後に、贈与に関して視聴者の方からよく聞かれる質問について見て行きましょう。

 

⑤贈与に関して視聴者の方からよく聞かれる質問

ⅰ毎年同じ月の同じ日に贈与を行っても『定期贈与』には該当しない

まずは冒頭の問題をもう一度見てみましょう。

 

 

さて、この問題の正解は・・・、です。

毎年同じ月の同じ日にち(例:毎年1月1日)に贈与を行ったとしても、それだけで贈与税の対象である『定期贈与』と見なされることはありません。

どういうことか、順を追って解説して行きます。

 

今回の記事では全体を通して、「暦年贈与には間110万円の非課税限度額があり、この度額以内で行われた贈与に関しては、申告も納税も必要がない」とお話して来ました。

 

ですがこの暦年贈与を行う際、迂闊に〝あるもの〟を作ってしまうと、

● たとえ毎年110万円以内で贈与を行っていたとしても、

● 将来的に思いもよらない高額な贈与税を支払う羽目になるのです。

 

その〝あるもの〟というのは・・・、ずばり与契約書』です。

 

一口に『贈与契約書』といっても、下記の図のように、『その年に実行する贈与の金額を記した贈与契約書』でしたら、も問題はありません。

 

問題があるのは、次の様に、「ある定期間にわたって100万円の贈与を行います」という内容の、

期金給付契約』に基づく贈与契約書を作ってしまった場合、

● または口約束をしてしまった場合なんです。

 

なぜならこの場合、

「毎年100万円を10年間、合計1,000万円の贈与を行う」という契約を、

● 1,000万円全額の贈与を受け終わるよりも前に結んでいますよね。

 

ですから、「この贈与契約が行われた時点で、与を受ける側は1,000万円を受け取る権利を得た」という事で、

● 贈与を受けた初年度に、

● 1,000万円に対する贈与税の申告と納税を行う必要があるんです。

 

ただしこの場合には、1,000万円全額が課税対象になる訳ではなく、

少し難しい話なのですが、課税対象額は複利年金現価率で算定した金額となります。

(例えば0.25%の10年であれば975万円が課税対象額になります。)

(※975万円から110万円の控除は可能)

 

ややこしい計算は一旦おいておき、話を纏めますと、

● 贈与を始める初年度に、贈与をする人と贈与を受ける人との間で、

「これから10年間、毎年100万円ずつ、合計1,000万円をあげますよ」という契約をしてしまうと、

期贈与】に該当し、務署から贈与税を課税されることになります。

 

ですが、

● 偶然にも毎年、100万円の贈与を同じ月の同じ日に10年行っていて、結果的に贈与額が1,000万円になったのであれば、

● 年の贈与は基礎控除の110万円以下ですから、申告も納税も必要なし!と、こういう取り扱いになるのです。

 

 

ⅱあえて111万円の贈与を行っても対税務署には意味がない

この他にも、

「110万円の暦年贈与は申告不要とあるけれど、れだと110万円以下の贈与を行った事を税務署に証明できないんじゃない?」

「だったらあえて111万円の贈与を行い、1,000円だけ贈与税を納税することで、キチンと家族間で贈与を行ったという事実が税務署に残せるよね!」ということから、

あえて111万円の贈与をされる方もいらっしゃいますが、これは税務署においては何の意味もありません。

 

何故なら税務調査官というのは、与税の申告書が提出されているという上辺だけを見るのではなく、本当に与が両者の合意の元で適切に行われているのかという『実態』を見るからです。

 

この点についても、以前投稿したこちら記事「【国税OBが語る】名義預金の調査手法と税務署から名義預金と疑われない為の5つのポイント!」において、詳しく解説をしておりますので、気になるという方はご覧になって頂ければと思います。

 

 

ⅲ高額な贈与を受けても所得税の確定申告に影響はない 

また、「2022年に300万円の贈与を受けましたが、年の所得税の確定申告はどのように申告すれば良いのでしょうか。」という質問も良く受けます。

 

これについては、

● 例え親から1億円の贈与を受けたとしても、

● 贈与を受けた人に関係する税金は贈与税のみで、得税の確定申告には一切関係ありませんし、

● 健康保険料や介護保険料にも何ら影響しませんので、ご安心下さい。

(※相続で1億円を受け取った場合も、所得税や健康保険料・介護保険料に影響しません)

 

まとめ

それでは今回の記事のまとめです。

今回は、「知らないと無申告になってしまう贈与に関する重要ポイント5選」ということで、これら5つの項目について見て来ました。

①暦年贈与で110万円を超える贈与を受けた人は申告が必要

②相続時精算課税制度を選択する人は申告が必要

③贈与税の特例を使った場合にも翌年の申告が必要

④家族間での生活費の援助・親からの介護費用の預り金も贈与税の対象?

⑤贈与に関して視聴者の方からよく聞かれる質問

 

各項目内で解説した重要なポイントは次の通りです。

 

①『暦年贈与』を利用する場合は、

● 贈与を受ける側に対して110万円の非課税限度額が設けられている

 

②『相続時精算課税制度』を利用する場合は、

● 贈与を行う側に対して2,500万円の非課税限度額が設けられている

 

③贈与税の特例の中でも、『住宅取得等資金の贈与』と『贈与税の配偶者控除』に関しては、

● 課税限度額以内の贈与だったとしても、

● 贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日までの間に、必ず贈与税の申告と必要書類の提出が必要

 

④家族間での生活費の援助や、親から介護費用の為に預かったお金であれば、

● 間110万円を超える贈与(暦年贈与)であっても、贈与税の申告も納税も必要ない

 

生前贈与を開始した初年度に「定期間に渡って合計◯◯万円の贈与を行う」という契約書を作成していないのであれば、

● 毎年同じ月の同じ日にちに贈与を行っていても『定期贈与』に該当しない。

 

今回の記事の内容を、皆さんの家族内でのお金のやりとりに照らし合わせて頂き、

『贈与税の申告や納税が必要かどうかの判断』に役立てて頂ければ幸いです。

この記事を書いている人 - WRITER -
秋山 清成
国税局・税務署で40年以上相続業務に従事して来た国税OB税理士です。元国税の経験を活かし、相続・贈与で悩む方々に少しでも有益なコンテンツを届けれられるよう、日々記事や動画を投稿中です。(Youtube登録者数:11万人)