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相続の話はタブーではない!親に相続の話題を切り出す最適な方法とは?【体験談多数】

 
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秋山 清成
国税局・税務署で40年以上相続業務に従事して来た国税OB税理士です。元国税の経験を活かし、相続・贈与で悩む方々に少しでも有益なコンテンツを届けれられるよう、日々記事や動画を投稿中です。(Youtube登録者数:11万人)

先日、視聴者の方からこの様な質問がありました。

「親の年齢が70代後半となり、将来支払う相続税に不安が出て来ました。」

「恐らく親が亡くなった際には安くない税金が掛かると思いますが、親に対し節税対策をして欲しいとは切り出しづらいです。」

「どの様なタイミングで相続の話題を切り出すのが良いでしょうか?」

というものです。

 

最近は以前よりも、相続・贈与に関する情報が認知され始め、この様なお悩みを持たれる50代、60代の方からの相談も増えました。

 

ですが皆さんもご存知の通り、相続の話というのは非常に繊細な話題です。

話の切り出し方を間違えると、親子間の関係性が一気に悪くなる可能性もあり、多くの方が、その話題の切り出し方に迷われているのです。

 

そこで今回の記事では、親に将来の相続の話題を切り出す最適な方法として、以下の5つのテーマに沿って解説をしていきます。

①親が積極的に相続税対策を行わない理由

②親に相続の話を切り出すタイミング

③実際に親と相続について話し合われた方の体験談

④親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方・悪い伝え方』

⑤ZOOMなどを有効に使い外部の専門家の協力も検討する

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

①親が積極的に相続税対策を行わない理由

ではまずは、相続の話題を切り出す前に、「なぜ多くの親は積極的に相続税対策を行わないのか?」について、親の心理を知る所から始めましょう。

 

ⅰ相続税の節税対策がいかに効果的かを理解されていない

多くの親が積極的に相続税対策を行わない理由の一つ目は、【相続税の節税対策がいかに効果的かを理解されていない】というものです。

 

なぜなら、親御さん世代はYoutubeなどで相続・贈与に関する知識に触れる機会も少ないですから、

 

イントを押さえて少しの節税対策をするだけで、家族の支払う相続税額を何百万円、何千万円と節税することが出来る』

という事実もご存知ありませんし、

 

もそも何をすれば将来の相続税が減るのかも分からない』

という方も多いでしょう。

 

誰しも分からない物を一から理解しようとするのは億劫ですよね。

そのため、「極的に勉強して相続税の節税対策を実行してあげよう!」という所まで、モチベーションが上がりづらいのです。

 

ⅱ自分が生きている間に節税効果を実感しづらい

多くの親が積極的に相続税対策を行わないもう一つの理由は、【自分が生きている間に節税効果を実感しづらい】というものです。

 

続税の節税というのは、下図のように親と子で効果の感じ取り方が異なります。

産を貰える子供達:
将来自分達の支払う納税額が下がるという、確な節税効果を実感することが出来きる。

産を遺す側の親:
得税の節税の様に『自分』が支払う納税額が目に見えて減るという訳ではなく、来の節税効果を実感しづらい。

 

このように、

「自分自身が積極的に節税対策を行っても、その効果は自分に相続が発生した後にしか現れない。」

という点も、御さんが相続税の節税に対してモチベーションが上がりづらい要因の一つだと思います。

 

つまり、皆さんが親御さんに対して相続の話題を切り出す際には、

「将来の相続について真剣に考えて!」

と、手に一方的に負担を負わすだけでは駄目なんです。

そうではなく、ここまで見て来たように、

● 本的に親は、相続税の節税対策がいかに効果的かを理解していないし、

● 分が生きている間に節税効果を実感しづらい、要はモチベーションが上がりづらい。

という分をシッカリと理解した上で、

〝最適なタイミング〟で、〝相手のモチベーションを上げる伝え方〟をしてあげないといけないのです。

 

ではその上で、【親に対し相続の話を切り出すタイミングはいつが良いのか】という部分を、次の章で解説していきます。

 

②親に相続の話を切り出すタイミング

いきなり結論ですが、親に相続の話を切り出すタイミングについては、

● るべく親御さんが元気な内に、

● 思い切って切り出されるのが良いでしょう。

それは何故かと言いますと、

● 親が元気な内に相続の話題をり出せないままでいると、

● 御さんが病気を患い、体力が落ちて来たタイミングで相続税対策(節税対策)の話をすることになります。

ですがその様な行為は、理的にも心情的にも恐らく殆どの方が出来ないでしょう。

 

ですので、

『「将来の相続税対策について一緒に考えて欲しい!」と切り出すチャンスは、親が元気な内しかない』

という点は、必ず心に留めておいて頂ければと思います。

 

また以前コチラの記事でも解説した通り、親御さんが期以上の認知症を患ってしまった場合、もうそれ以降は全ての相続税対策が出来なくなる可能性が高いです。

 

ですのでその観点からも、

御さんが出来るだけ若い内、

『出来れば70代に差し掛かった位から相続の話を切り出してみる』

というのを一つの指標にしてみて下さい。

 

ではここまでの内容を踏まえた上で、次の章では【実際に親御さんと相続について話し合われた方の成功談、失敗談】について見て行きましょう。

 

③実際に親と相続について話し合われた方の体験談

以前Youtubeコミュニティという、毎日相続・贈与の記事を掲載しているページにおいて、

に相続の話題を切り出された方の体験談』を募集したところ、多くの方から素晴らしい回答を頂きました。

 

回はその中から、実際に親御さんに相続の話題を切り出された方の成功談、失敗談を紹介して行きます。

 

ⅰ残された家族を思うのは皆同じ(成功談)

私の兄は重度知的障害を患っており、父の相続の際、兄の相続手続きで苦労をしました。

のため母に対し、2次相続に向けての相続税対策を思い切って切り出したところ、母は「方たちが苦労せずに相続が出来るなら」と遺言書を作成してくれました。

 

も母も、まだ心の整理がつきませんが…親の愛情と強さを感じた瞬間でした。

私も以前は、この手の話はタブーに感じておりましたが、残された家族を思うのは皆同じ、「いけど…長生きしてほしいけど…」と、ちゃんと気持ちを伝えたらわると思います。

この方は、一次相続でお父さんを亡くされ、その際の相続手続きで苦労をされた経験から、い切ってお母さんに2次相続(お母さんの相続)のことについて話合われた方です。

 

「辛いけど…長生きしてほしいけど…」

と、あくまでも母さんの気持ちや身体を第一に考えつつ、自身の気持ちを真摯に伝えられております。

では、次の方の体験談も見て行きましょう。

 

ⅱ失礼な!と怒りを買ってしまった。(失敗談)

私も親が元気な10年前に相続対策の話をしましたが、「失礼な!」と怒りを買ってしまい、話が出来ませんでした。

そして在、親が物忘れが激しい認知症予備軍になってから、続するのはあなたなんだから、やって頂戴」と言われて途方にくれています。

この方は続の話を切り出した際、親御さんと衝突してしまったという方です。

恐らくこの方の親御さんのように、相続の話を切り出すと「失礼な!」と怒られる方は間違いなく一定数いらっしゃるでしょう。

 

では、『の様に伝えれば、親に日頃の感謝の気持ちを分かって貰いつつ、将来の相続の話を切り出せるのか?』について、次の方の体験談を見て行きましょう。

 

ⅲ両親の財産を全部調べストレートに頼みました(成功談)

先生も仰るように、親への相談はむしろ元気なうちに、できるだけ早く相談すべきです。

知症や重病になってからではほとんど何もできないし、暦年贈与をするにしても時間がなくなってしまいます。

 

「どう言えばいいか」については、

との係や親御さんの格、続人間の人間関係、信頼感にもよりますので、

れが正解」というマニュアル的な答えはないと思っています。

 

私の場合は、父が癌にかかって治癒の見込みがないとわかった時点で、両親の財産を全て調べ、ざっくりとした総資産額を把握した後、何もしなかった場合の相続税額を計算しました。

 

自営業で一般のサラリーマン家庭よりはかなり多くの財産があったため、目玉が飛び出るほどの税額でした。

 

ですので、妹と相談した上、先生の記事で勉強しながら勝手に相続計画のシミュレーションを立て、父が亡くなった後、孫たちへの生前贈与も含めて母に話をしました。
(※母にもかなりの現金資産があったので、父の遺産は現金資産は私と妹で等分に、不動産は全部母が相続しました。)

 

もしご自身で親の財産を調べられない場合は、親に相談の上、情報共有してもらうしかありません。

 

私の場合は、

「何もしなかったらこれだけの税金がかかる。」

「せっかく両親が長年頑張って築き上げてきた大事な資産を国庫に入れるのはあまりにも勿体無い。」

「僕らはそこそこでいいので、今後の生活費はしっかり残した上で、元気なうちに孫たちに贈与してほしい。」

とストレートに頼みました。

 

その結果、

● 孫5人に「教育資金の贈与」と、「年間110万円を超える生前贈与」を2年間行ってもらい、

● 家が1軒建つくらいの税金を節約できました。

 

日本の場合、財産の話を出すとどうしても「金目当て」とか、「お金の話は汚い」と思われる方がまだまだ沢山います。

ですが、『が築いた大事な資産を子供達に少しでも多く残していきたい』、という気持ちを誠実に相談すれば、

は墓場まで全財産を持って行くんだ!」とか、よほど何かこだわりのある親でなければ気持ちよく相談に乗ってもらえると思います。

 

かくいう私ももう60歳を超えており、今後いつ何があってもおかしくない年齢なので、度は私から妻や子供達への相続対策を考え始めているところです。

この方は、

● ご自身の力で両親の財産を全て調べ、総資産額の概算を把握した後、

『何も対策をしなかった場合の税額』と『ッカリと相続税対策をした場合の税額』の差を視覚的に親御さんに提示した。

という方です。

 

「せっかく両親が長年頑張って築き上げてきた大事な資産を国庫に入れるのはあまりにも勿体無い。」

らはそこそこでいいので、今後の生活費はしっかり残した上で、元気なうちに孫たちに贈与をしてほしい。」

といったように、

最初の回答者の方と同じく、あくまでも親の気持ちやこれまでの努力を第一に考えつつ、自身の気持ちを真摯に伝えられたのが、親御さんの心にも届いたのだと思います。

 

では、最後の方の体験談を見て行きましょう。

 

ⅳ高齢の親を納得させるために相続税の計算は必ずしたほうが良いです(成功談)

私は両親から、「現金と株はこれくらい持っている」という話は昔から教えて貰っていました。

 

親自身は自分の財産がいくらあるのかを把握していませんでしたが、「産は全部母親に渡してくれ」というので、が父の財産を全て調べました。

そうすると思っていた以上に父の財産は多く、結果的に相続税を払うくらいの額がありました。

 

に母親の財産を聞いたら、母親自身の財産も多く、

● このまま一次相続で父の全財産を母が相続した場合、

● が亡くなった2次相続において、配偶者の税額軽減も使えない私達は多額の相続税を支払う事になる。

なので将来そのような事態を避けるためにも、

両親に対し「父の相続が発生した際の相続割合は、母親1/2、子供1/4にして欲しい」と丁寧に説明し、納得をして貰いました。

 

90歳を超えると、相続税を払うくらい財産があるのに、老後が心配と言います。

両親の納得を得る為にも、相続税の計算は必ずしたほうが良いです
(※作成した財産目録は兄弟姉妹にも渡しています。)

この方も、先程の回答者の方と同様に、

● 身で親御さんの財産情報を調査した上で、

● 続税対策を行った場合の税額について、シッカリと親御さんに提示されています。

 

を納得させるためには、子供達が率先して将来の相続税の計算をしておくべき」

という言葉には、成功体験者としての強い説得力がありますね。

 

ではここまで紹介してきた体験談の内容を元に、次の章では【親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方・悪い伝え方』】について纏めていきます。

 

④親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方・悪い伝え方』

ⅰ良い伝え方

親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方』としては、

まず、相続について勉強するのが億劫な両親の代わりに、

● 供達自らが率先して親の財産内容を把握し、概算計算をした上で、

も対策をしなかった場合の税額』と『シッカリと相続税対策をした場合の税額』の差を、視覚的に親御さんに提示してみましょう。

財産の把握方法や計算方法は以下の記事を参考にしてみて下さい。

財産の把握方法:
自宅編公共機関編

把握した財産の評価方法:
戸建て住宅の計算マンションの計算

相続税の計算方法:
相続税の計算

そして概算結果が出た後は、

っかく両親が長年頑張って築き上げてきた大事な資産を国庫に入れるのはあまりにも勿体無い!」

「親が築いた大事な資産を自分の子供達に少しでも多く残していきたいんだ!」

という、皆さんの持ちをストレートに伝えて頂ければ、きっと皆さんの親御さんも、続対策について真剣に考えて下さると思います。

 

勝手に親の財産を調べるのは気が引けるという場合は、

「両親が築き上げてきた大事な資産を守りたい」という意思を伝えた上で、

「全部自分達で動くから」
あくまでも、相続・贈与について勉強したり、概算の計算をするのは子供達であり、親自身はなにも動かなくていいんだよ」

という様に働きかけて頂ければ、親御さんも子供達にせやすくなるのではないでしょうか。

 

ⅱ悪い伝え方

逆に悪い伝え方としては、

「将来の相続税のことが心配だから、今から対策をして欲しい」といったように、

● 分達は何も具体的な行動を起こさず、

● 方的に親に相続税の対策を押し付けるような言い方ですね。

 

冒頭でもお話した様に、

基本的に多くの家庭の親御さんは、

● 相続税の節税対策がいかに効果的かを理解されていない方が多いですし、

● 力や視力などが落ちた状態で、からない物を一から理解しようとするのも億劫に感じる筈です。

そもそも相続税対策自体が、自分が生きている間に節税効果を実感しづらい税金なんですから、

 

『子供達は何も具体的な行動をしないのに、親だけに負担を強いるような伝え方』をしても、御さんは皆さんの要求には応えてくれないでしょう。

 

あくまでも大事なのは、

● 頃から親御さんと何でも話せる信頼関係を築いている上で、

● 御さんになるべく負担を掛けない形で相続の話題を切り出す。

この心掛けが重要だと思います。

 

⑤ZOOMなどを有効に使い外部の専門家の協力も検討する

その上で、ここからは親御さんと相続税対策の話まで進める事が出来た方限定の方法ではありますが、

【もし今後の方針について親子間の意見が分かれてしまった場合】には、『外部の専門家の協力を得る』という方法も検討してみて下さい。

せっかく将来の相続税対策の話まで進めたのに、そこからの具体的な施策で親と子の意見が分かれてしまうとてが台無しです。

 

ですので、将来の相続税対策の進め方について親子間で意見が分かれた場合には、

● 分達だけで課題を解決しようとするのではなく、

● 相続税に精通した専門家(弁護士や税理士など)に連絡を取り、親子揃って最適な節税対策のアドバイスを求めてみる。

というのも一つの手かと思います。

 

親御さんのお身体が悪く、専門家の元へ足を運べないという場合でも、はZOOM相談を受けている事務所も多いですから、自宅にいながら親子揃ってZOOM相談を受けるという方法も可能ですからね。

 

まとめ

では今回の記事のまとめです。

 

今回の記事では『親に相続の話題を切り出す最適な方法』というテーマのもと、

● 親に相続の話を切り出すタイミングや、

● 親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方・悪い伝え方』について解説をして来ました。

 

【親に相続の話題を切り出すタイミング】

御さんが健康で元気な内に思い切って話を切り出しましょう。

 

【親に相続の話を切り出す際の『良い伝え方・悪い伝え方』】

御さんに一方的に相続税対策を押し付けるような伝え方をするのではなく、

 

相続について勉強するのが億劫な両親の代わりに、

● 供達自らが率先して親御さんの財産内容を把握し、概算計算をした上で、

『何も対策をしなかった場合の税額』と『シッカリと相続税対策をした場合の税額』の差を、視覚的に親御さんに提示する。

 

そして概算結果が出た後は、

● 親が築いた大事な資産を自分の子供達に少しでも多く残していきたいんだ!」

という、皆さんの持ちをストレートに伝えて頂ければ、きっと皆さんの親御さんも、続税対策について真剣に考えて下さると思います。

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秋山 清成
国税局・税務署で40年以上相続業務に従事して来た国税OB税理士です。元国税の経験を活かし、相続・贈与で悩む方々に少しでも有益なコンテンツを届けれられるよう、日々記事や動画を投稿中です。(Youtube登録者数:11万人)